会計・税務業務

1.巡回監査業務

(1)業種別に対応した自計化支援

当事務所では、顧問先の業種に対応し、最適なシステムを選択し自計化を支援します。その結果、企業の会計能力が高まり、迅速な経営判断を可能にすることで戦略的経営力の強化を支援します。

(2)毎月の業績結果の報告と説明

当事務所では、毎月の巡回監査完了後、経営者に対し業績報告を行います。その際に数値上の問題点も併せて説明し、さらに経営者が考える問題点もインタビューし今後の経営に役立てます。 

(3)経営者と経営課題についての検討

当事務所では、毎月の巡回監査完了後に経営者と面談し、経営課題についてミーティングを行います。そこで売上対策・粗利対策・販売管理費対策等を具体的に協議し、その結果を文書化して、翌月までの経営者が行う行動の「見える化」で、情報を共有することでき、次月以降のチェックポイントとしてモニタリングを可能にします。

(4)部門別損益管理指導

企業において経営を永続的に発展させることは永遠のテーマであり、そのため黒字決算は重要な課題となります。さらに黒字決算を達成するためには「どの部門が儲け、どの部門が損をしている」という管理を日々行う必要があります。そこで当事務所では、複数の事業を営んでいる顧問先には部門別に、また地域別・商材別・営業マン別等の細分化した損益管理を指導し、戦略的経営力の強化を支援します。       

2.決算申告業務

(1)書面添付

書面添付制度は、法律に定められている制度で、企業が税務申告書を税務署へ提出する際に、その内容が正しいことを税理士が確認した書類(税理士が計算し、整理し、又は相談に応じた事項を記載した書面)を添付する制度です。

書面添付された税務申告書は、税務調査着手前に税理士に意見を述べる機会が与えられます。

(2)決算事前対策の検討

当事務所では、決算月の前月までに顧問先のインタビューに基づき決算予測数値を算定します。その結果、決算の事前対策が可能になり、黒字であれば節税対策、黒字の見込みが厳しい場合には利益確保対策を検討します。また、予測納税額をお知らせすることで申告月の資金繰り計画の策定が可能になります。

(3)会計法規に準拠した決算書の作成

当事務所では、「中小企業会計指針」、「中小企業会計要領」に準拠した決算書の作成を支援します。その結果、自社の正確な財務状況が把握でき、さらには戦略的経営力の強化に寄与します。また、金融機関からの高い信頼を受け、融資の実行や融資条件の優遇措置が受けられる可能性が高まります。       

3.税務相談業務

(1)役員報酬の判断に関する相談

平成18年に役員報酬に関する法人税法の規定が改正されました。それ以降、「役員報酬を改定する時期はいつがよいか?」「いくらまでなら増額、減額が可能か?」「役員に対する賞与支給は可能か?」等の質問が多く寄せられています。当法人では、現状の確認(社長か専務か?職務内容は?株主構成は?など)を行い、税法の規定だけでなく、会社法の規定も考慮した対応をしています。

(2)役員退職金の判断に関する相談

役員退職金に関しては、「いくら出せるか?」というのが最も多い相談です。上記の役員報酬の場合と同じく、まずは状況確認を実施しますが、税務上損金(経費)になる限度額の算定に終始せず、退任後のご家族の生活や相続税のことまで考慮して判断を行うよう心掛けております。敢えて税金を払う、という提案をさせていただくこともあります。

(3)設備投資判断に関する相談

設備(人材・ソフトウェアも含む)投資を行った場合、税法上の特例(税金が減る)を受けられることがあります。設備投資を行う前にご相談いただければ、特例の適用が可能かどうか、いずれの特例を適用するのが税の面で最も有利か、設備投資を行うタイミングは当期がよいか翌期がよいか等の判断の支援を行います。 

(4)組織再編、会社分割に関する相談

事業環境の変化に伴い、中小企業においても合併に関するご相談が増えてきており、最近では、経営承継の場面において、会社分割の提案を行ったりしています。税制上も、企業が機動的に再編できるよう整備が行われています。これらの組織再編に関するご相談については、経営面と税の面の両方からの綿密な検討が必要です。

(5)連結納税に関する相談

連結納税制度を適用するかどうかは、純粋に税務上のメリット・デメリットを考慮して判断することとなります。連結納税制度を適用するか否かは任意ですが、ひとたび適用すると、継続適用が要請されますので、長期的視野に立って 慎重に決定する必要があります。

(6)その他税務相談全般

4.会計参与

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「巡回監査について」小論(馬服一生寄稿)

TKC会計人は「月次巡回監査」を基幹業務としています。
その第一義的目的は、適正な決算書と適法な税務申告の作成にありますが、目的はそれだけではありません。
我々職業会計人は月次巡回監査を通じて関与先企業とどう関わるべきか、検討してみたいと思います。
なお、この小論は、小生が「会報TKC/平成17年11月号」に寄稿したものです。(税理士 馬服一生)

1.はじめに
日本経済はバブル崩壊を境に、それまでの右肩上がりの経済から急激にデフレ経済に陥り、その暗いトンネルから未だ完全に抜け出せずにいる。昨今の景況はわずかに回復の兆しが見えるものの、まだまだ出口は遠い。
一方、グローバルスタンダードの名のもとに国際化の波が一気に押し寄せ、国は国際競争力強化のため構造改革に踏みだし、規制緩和政策やe-japan構想等、さまざまな国策により抜本的改革に取り組んでいる。
このような社会環境の変化の中、わが国経済の屋台骨を担う中小企業はその70%が欠損企業である。
また、近年、開業率が廃業率を下回り、この傾向は当分変わる気配がない。この影響は、多くの職業会計人を直撃している。
そこで現下の状況における中小企業の課題は何か、これに対しTKC会計人の果たすべき役割は何か、そのために何をしなければならないのかを整理し、検討してみよう。   

2.巡回監査の意義と役割
ところでTKC全国会は、税理士業務に併せて会計業務を実施する会員の遵守すべき規範として「巡回監査」と名づける業務の実践基準を制定している。
この基準は、税理士法上の相当注意義務を履行した証左として、会員が必ず実施しなければならない業務手続きを骨子とする。(『TKC会計人の行動基準書』第1章総論・4)
巡回監査とは、会員が関与先企業を毎月及び期末決算時に巡回し、会計資料並びに会計記録の適法性、正確性を確保するため、会計事実の真実性、実在性、網羅性を確かめ、かつ、指導することである。(『TKC会計人の行動基準書』第3章実践規定の部・2)
巡回監査の第一義的目的は、真正の事実の確保である。つまり、関与先企業から提供される会計資料に、質または量の面で不当な限定が加わる可能性を避け、真正の事実を確保するために、毎月及び期末決算時に関与先企業に出向き、会計資料を完全網羅性(会計取引のすべてが洩れなく記録され、起票され、表示されているか)、実在性(それらが架空でなく実在するか)、適正性(その評価額は適正か)、真実性(取引記録や起票内容は真実のものか)、適時性(記録や起票は適時に行われているか)についてチェックする。
一般的に内部統制組織が確立されていないといわれる中小企業においては、第三者である職業会計人の巡回監査により法令準拠性等を確認し、これにより「帳簿の証拠能力が確保」され、誘導的に「信用力のある決算書」が作成される。
その結果、「適正申告の実現」すなわち「租税正義の実現」が図られ、それは「事務所の法的防衛」に繋がる。飯塚毅名誉会長が「TKC会計人は巡回監査を徹底断行すべし」と強く訴える所以はここにある。

3.巡回監査により決算書の適正性を担保する
金融ビッグバン以降、従来の不動産担保主義、第三者保証主義から、企業の財務書類が重要視されるようになった。
また、平成16年7月に公表された会社法制の現代化に関する要綱案(第二次案)によれば、株式会社に内部機関として「会計参与(仮称)」制度を新設し、これに会計に関する専門的識見を有するものとして税理士が公認会計士と併記され登用されようとしている。この制度は、計算書類の記載の正確さに対する信頼性を高め、株主・会社債権者の保護及び利便に資することを目的とするものである。
これらは、中小企業が金融機関から円滑に資金を調達し、あるいは取引先からの受注を拡大するためには信用力のある決算書が不可欠となったことを意味する。「信用力のある決算書の確保」という社会的な要請に応えるために、職業会計人には一層綿密な巡回監査の徹底断行が求められる。

4.巡回監査と自計化による関与先企業の再生・黒字化
デフレ経済により急激に業績が悪化し、不動産の担保価値の低下により円滑な資金調達が困難になった中小企業が職業会計人に求めるのは、「信用力のある決算書の確保」だけにとどまらない。これらの中小企業のTKC会計人に対する切実な要請は「再生・黒字化」の支援である。
TKC会計人の巡回監査により真正な事実に基づき作成された月例経営分析表をはじめとする月次データ及び決算書が中小企業の「再生・黒字化」に活用されるにはどのような工夫が必要であろうか。
「再生・黒字化」のためには管理会計的側面からの検討が不可欠である。それには、変動費と固定費の区分、人件費、設備費に該当する勘定科目の綿密なチェック、あるいは部門別管理、資金管理、口座別管理、取引先別管理等の管理システムの研究と活用が重要である。さらには、継続MASにより、経営者と共に短期経営計画・予算を作成し、月次業績と目標値のズレを管理することにより改善すべき点にピンポイントで迫ることができるデータあれば一層経営情報として有効である。
このように管理会計的視点から綿密にチェックされたデータは、意思決定者である経営者に理解されることにより活用される。そのためには月次巡回監査時には月次データのうち経営者に知って欲しい経営数値を繰り返し説明することが最低限、求められる。さらに中期経営計画を作り、巡回監査時に3ヶ月に1回は四半期業績検討会に参加し、継続MASモジュールVによりPDCAサイクルを確立していけば、企業力は目に見えて向上する。
これは実例であるが、ある国内産の農産物加工・卸売業で年商約2億4千万円の会社が、国外産の商品との価格競争により急激に収益力が低下し、平成14年の実績は限界利益率が4.7%に低下し、経常損失が5千5百万円となり、赤字経営に落ち込んでしまった。調べてみると、国外産に比べ国内産の方が圧倒的に高品質であるのにもかかわらず、その優位性を取引価格に反映することができなかったことが原因であった。そこで固定費の削減と、品質に見合う取引価格の値上げによる変動費率の改善を提案した。具体的には、単位重量(キログラム)当たりの固定費を算定し、これに重量当たりの変動費と重量当たり必要利益を加え、約50アイテムの加工商品の全てについて目標売価を算定した。これをもとに取引先と価格交渉し、交渉が成立した約30アイテムの商品を残して、あとの約20アイテムは商品加工をストップした。その結果、平成15年は、限界利益率が11.6%、経常損失が2千3百万円まで改善され、平成16年は、限界利益率が21.2%、経常利益が1千3百万円を計上するまでに改善された。
この改善のポイントは、固定費と変動費を綿密に区分したこと、これらを単位当たりデータまで掘り下げたこと、FX2、SX2を活用し、速く正確なデータを得ることができたことである。また、月次巡回監査により得られた正確なデータを活用し、継続MASと四半期検討会によりPDCAサイクルを確立し、経営者が率先してPDCA管理を徹底したことが成功要因であった。

5.巡回監査と企業防衛・リスクマネジメント
いうまでもなく企業の社会的な使命は、存続し発展することである。
経営が破綻し倒産に至れば、社会的なマイナスの影響は計り知れない。それは大企業のみならず中小企業においても同じである。
しかし経営者の努力あるいは職業会計人としての懸命の支援にもかかわらず、やむなく廃業・倒産至ることは現下の経済状況においては考慮に入れておかねばならない。企業の再生・黒字化の支援と同じく、企業防衛・リスクマネジメントの指導は、社会的なマイナスを最小限にとどめるための対策という意味で本来業務として取り組むべきであろう。必要付保額の算定や費用対効果を考慮した適切な商品選択をするためには正確な財務データは不可欠である。
また、巡回監査により企業の財務内容だけではなく、社長の個人財産を把握することも、財産の保全とその有効活用の視点から重要である。

6.事務所の月次巡回監査体制の構築
月次巡回監査の完全実施体制を構築するにはどのようにしたらよいだろうか。その鍵は所長の決意と経営理念の職員への浸透に尽きるのではないだろうか。
職員教育も重要である。巡回監査をするのは職員であり、関与先の経営者と接する機会は所長より職員の方が多いのが通常であろう。中央研修所主催の基本講座で理念を学び、システムを理解し、中級実務試験に合格することが巡回監査担当者の最低要件であろう。また、月次巡回監査により企業の再生・黒字化を図るには、経営革新支援アドバイザーの研修は必ず受講すべきである。
巡回監査報告書の活用は月次巡回監査の完全実施体制の構築には不可欠である。巡回監査報告書は、所長から職員に対する業務命令書であり、職員から所長に対する復命書である。これは、二つの意味で重要である。巡回監査報告書の活用により職員の業務水準を標準化することができる。
もう一つは、事務所の法的防衛のためである。税理士は税理士法第45条第2項により相当注意義務を課せられている。万が一、納税者から相当注意義務違反により損害賠償を求められた場合には、相当注意義務を果たしたとの挙証責任は税理士にある。その際に巡回監査報告書が証拠の一つになる。

7.終わりに
「わが国が戦後最大の経済危機にある中、活力ある国づくりにとって、中小企業の復活・再生が大きな課題である」との認識のもとに、TKC全国会は、「黒字決算割合の向上(KFSのさらなる推進)」、「創業・経営革新支援活動」、「会計事務所の社会的使命の完遂」の三つを柱(目的)とする第二次「成功の鍵作戦21」を打ち立て、具体的活動を展開している。このプロジェクトも二年目に入り、その実績が公表されているが、その結果を概括的に見るとその成否には「巡回監査の品質とスピード」との相関関係がうかがえる。言い換えれば、この三つの柱を縁の下で支えるのはTKCの基本業務である翌月巡回監査の完全実施であるといえるのではなかろうか。
飯塚毅名誉会長はTKC会報・昭和49年9月号において「会計人による助言領域の拡大」と題して、次のように述べられている。
『ドイツ税理士法には、税理士の責任に関して、注目すべき条項があります。それは「税理士が業務以外においても、信頼とその職業の要求する尊敬に値することを示さねばならない」という条項です。ものすごい責任条項じゃないですか。ドイツにあっては、税理士が、単に税務と会計の専門家であるだけでは許されない。彼らは専門の業務以外のところで、関与先や世間一般から、信頼と尊敬に値する水準まで自分を高めておき、かつ、実践して見せなければならない責任を課せられているわけです。(中略)
翻って、日本はどうでしょうか。会計人は、税務と会計、予算統制や内部牽制制度に関する助言ぐらいがせいぜいではないですか。(中略)会計人は、税務と会計の専門家なのだから、その面だけのサービス領域に限定していればよいとの理屈は成り立たないと思います。企業が存続していればこそ、はじめて会計税務の問題があり得るので、企業の命脈が断たれれば、職業の対象も消失してしまいます。関与先の安定的生存が前提条件となっているわけです。』
巡回監査の徹底断行が、職業会計人の職域を防衛し運命を打開する基本業務であることをあらめて痛感した次第である。